アメリカのドナルド・トランプ大統領は、アメリカ軍の防空ミサイルの備蓄減少への懸念から、イランに対する軍事作戦を大幅に拡大する計画を見送ったと報じられています。
ニューヨーク・タイムズによりますと、この決定はトランプ大統領が24日の金曜日に政府高官や閣僚らと行った会議の後に下されました。
軍当局は、大規模な戦闘が再開されれば、中東に展開するアメリカ軍や基地の防衛に必要なパトリオット迎撃ミサイルなどの防空兵器の備蓄が危険な水準まで減少する恐れがあると警告したということです。アメリカがイランとの継続的な衝突で防空ミサイルの相当数を消費したとの懸念は、これまでも指摘されていました。
また、トランプ政権は、さらなる軍事的エスカレーションがイランによるより大規模な報復を招くほか、湾岸諸国がアメリカから距離を置く可能性や、世界的なエネルギー危機や難民問題を深刻化させることも懸念していると伝えられています。
外交上の課題
アメリカ統合参謀本部議長のダン・ケイン大将は、大規模な軍事作戦の再開は可能であるものの、中東での軍事活動を担うアメリカ中央軍が運用できる迎撃ミサイルの備蓄を大幅に減少させることになると、非公開の協議で説明したと報じられています。
ホワイトハウスのスティーブン・チャン広報部長は、トランプ大統領は一貫して外交的解決を望んでいる一方、イランがホルムズ海峡やアメリカの同盟国に対する「テロ活動」を続ける場合には、あらゆる選択肢を維持する考えだと述べました。
チャン氏は、「イランにとっては交渉による合意を目指すのが賢明だ。そうしなければどうなるか、彼らは分かっている」と語りました。
報道によりますと、トランプ大統領は、イランとの対立を今後どのように進めるかに加え、戦闘再開による燃料価格の上昇が続く中、ホルムズ海峡をどのように再び開放するかについても検討しているということです。ホルムズ海峡を巡る緊張は、世界のエネルギー貿易への圧力を一段と強めているとされています。
同紙は、外交的な取り組みは行き詰まっており、最近のアメリカによる攻撃もイランに対する軍事的な抑止力とはなっていないようだと伝えています。
さらに報道では、一部のアメリカ政府高官は、大規模な軍事作戦を再開してもテヘランを交渉の場に戻せるか疑問視しているとしています。新たな攻撃は、かえってイラン指導部を中心とした国内の結束を強める可能性があるとの見方を示しているということです。





















