EUのカヤ・カラス外交・安全保障政策上級代表は、防衛同盟であるNATOが重大な課題に直面する中、アンカラで開催されるNATO首脳会議は極めて重要な意味を持ち、加盟国間の結束がこれまで以上に重要になっているとの認識を示しました。
カラス上級代表は、6月29日から30日にかけてのトルコ訪問を前に、29日の月曜日にアナドル通信(AA)のインタビューに応じ、「首脳会議の前には毎回『歴史的な会合』と言われます。しかし、ご指摘のとおり、大西洋を挟んだ関係が大きな圧力にさらされている今、結束を示すことは同盟にとってだけでなく、競合する国々に対しても極めて重要です」と述べました。
また、トルコがさまざまな地政学的課題で中心的な役割を担っていることから、今回の訪問にはEUの拡大担当委員と移民担当委員も同行すると説明しました。そのうえで、NATO首脳会議では、防衛生産能力の拡大や抑止力の強化、さらに「ウクライナのために何ができるのか」を主要な議題として協議するとの見通しを示しました。
欧州軍創設構想を否定
カラス上級代表は、独立した「欧州軍」の創設を求める意見を否定し、EU加盟国はすでにNATOのより広範な防衛体制を構成する各国軍を保有していると指摘しました。
さらに、「EU加盟国が、それぞれの国軍とは別に、最終的に欧州の指揮下に置かれる新たな軍隊を創設することは現実的ではありません。脅威は地域ごとに異なるため、その対応も地域に即したものでなければなりません」と述べ、防衛投資の拡大と欧州諸国間の一層緊密な連携を呼びかけました。
また、EUとNATOは重複した取り組みを避けるため緊密に連携しており、NATOにおける「欧州の柱」の強化に重点を置いていると説明しました。さらに、一部の軍事能力は単独の国で整備するにはコストが高すぎることから、加盟国が共同調達を進めることが重要だとの考えを示しました。
カラス上級代表は、ウクライナでの戦争から、とりわけドローン防衛や新たな軍事技術の分野で多くの教訓を得ていると述べ、「能力の強化、特にドローン防衛のような新たな分野については、ウクライナから学ぶべきことが数多くあります」と語りました。
「トルコは平和構築において主導的な役割を担っている」
カラス上級代表は、トルコを「NATOで2番目に大きな軍隊を有する国」と評価し、「非常に強力な防衛産業を持っている」と強調しました。また、トルコは欧州の安全保障と地域の安定において「極めて重要な主導的役割」を果たしていると述べました。
さらに、コーカサス地域の情勢や安全保障環境に言及し、「トルコとはこうした問題について必ず協議しなければなりません」と語りました。
一方で、キプロス問題はアンカラとブリュッセルの関係における重要な課題であり続けていると指摘しました。その上で、国連のアントニオ・グテーレス事務総長による対話促進の取り組みを支持するとしたうえで、「平和的な解決が実現すれば、多くの行き詰まりを解消できると考えています」と述べました。
また、移民や地域の安定、安全保障分野での協力の重要性に触れ、「トルコは戦略的に重要なパートナーです」と強調しました。トルコは中東やコーカサスでも重要な役割を果たしており、地域の連結性の向上や広範な地域課題への対応に欠かせない存在だと指摘しました。
さらに、「中東情勢を見ても、トルコには重要な役割があります」と述べ、今回の訪問は「双方が協力して何ができるかを探ること」が目的だと説明しました。
「違法なイスラエル人入植者が二国家解決を困難にしている」
カラス上級代表は中東情勢にも言及し、EUはパレスチナ人への支持と「二国家解決」の実現に向けた立場を引き続き堅持していると述べました。
そのうえで、「私たちが見ているように、暴力的な入植者や違法な入植地の拡大は、二国家解決を事実上不可能にしています」と指摘しました。また、EUはこうした懸念をイスラエル政府に継続的に伝えており、意見の相違があっても対話を続けることが重要だとの考えを示しました。
さらに、イスラエルのギデオン・サール外相が自身との接触を行わない意向を示したとの報道について問われると、「批判を受け入れられないからといって、そのような対応が正しいとは思いません」と述べ、「懸念を伝え、私たちの声を届ける最善の方法は対話です」と強調しました。
また、国際情勢はますます複雑化しており、そのため同盟国間の緊密な協力が不可欠になっていると指摘しました。こうした状況の中で、トルコのような国との連携はこれまで以上に重要になっていると述べ、地域の安定こそがEUとトルコの継続的な対話を必要とする大きな理由の一つだと説明しました。
さらに、イスラエルによる軍事行動や入植活動が二国家解決の実現をますます困難にしていると指摘するとともに、地域の安全保障、移民対策、防衛協力におけるトルコの戦略的重要性を改めて強調しました。






















